アレクサと言えない!場面緘黙症、音声認識との闘い。

先日、主人公が場面緘黙症らしく「その電話が鳴る時」という韓国ドラマを見ました。

画像 MBC

主人公、声が出せず手話を使って生活しているぐらいなのですが。

事件に巻き込まれて行く内に、サクッと会話できるようになっていました。

え?それはないやろ。

話し出せたとしても、そんな急に流暢に話せるようにはなりませんて。

そういうんじゃない。
そんなに単純なものじゃない。


さて、うちの次男君。
まさにその場面緘黙症です。

幼稚園に入園して、1か月ぐらい経った頃でしょうか。

先生に、
「次男君、まだ、お話してくれないんですよ~。」と教えてもらいました。

え???

その後、話さないまま年少が終わってしまいました。

家でも、YouTubeの音声検索で声が出せない。
「アレクサ」と呼びかける事ができない。

アレクサと言おうとはするけど、一瞬固まって、逃げる。

ただの恥ずかしがりやでは済まされないレベル。
アレクサはロボットよ。
人じゃないのよ。
目はないから見えてないのよ。

次男のアレクサ問題。

親や兄弟とは話せるのに、外では言葉を出す事が難しい状態になってしまうのが場面緘黙症。

有病率は小学生0.5%、幼児期1%だそうで、学校教育(特別支援教育)では「情緒障害」の位置づけ。とのこと。

実のところ、私も次男程ではないけれど、緘黙傾向のある子どもでした。

実家でもそれ程、自分の感情を話す事はありませんでした。
どちらかというと、癇癪で要求や怒りを伝える。
鼻歌を歌う事が最大の難関。

学校では2年生で転校した後、4年生ぐらいまで親しい友だち以外とは、まともに話をしていません。

そんな訳で、根暗(ねくら)というあだ名を授かりました。

3年生の時に、笑えるようになったね。
4年生の時に、大きな声が出る様になったね。

と先生から言われたのを今でも覚えています。

それにしても、なぜ話せなくなるのか?

…謎です。

ただ、脳内がフリーズして、言うとか言わないとかいう次元じゃない。
頭が真っ白になる。
という感じ?

緘黙傾向が強いと、よほどの事がない限り、外に言葉を出すというよりは、何もかもを自分の内側にしまう方にエネルギーが使われます。
そうやって、刺激から自分を守るという言い方が正しいかもしれません。

そんな私ですが、年齢を重ねる内におばちゃん化も進み、今ではどこでも誰とでも世間話できています。
なんなら、そこそこの人数がいるところで手を挙げて質問もできます。
すごく疲れるけど。


どうやったら、話せるようになるのか?

「楽な空気の中で、放っておいてくれ。」

この一言に尽きるかなと思います。

緘黙症が目指したい第一歩は、話せるというよりは、

「言う。」

という単語の方が合うかもしれません。

言葉にして発する前段階で何等かの障害が生じて言葉が出ない。そして、前段階とは、脳と心に行きつくと思っています。

脳と心が波立っていない状態。平穏心で、不安や恐怖がない落ち着いた状態が環境的に整ったら、結果的に何かをいう事ができ、そして話す事ができるようになる可能性が高くなります。

ただ、環境が整っていても、干渉されたり、じっとそばで待っていられるのも、大変に苦手な傾向もあります。
彼らの望む環境とは、一言で言うならば、やっぱり、

「楽な空気の中で、放っておいてくれ。」


次男の場合は、幼稚園、小学校ともに、先生方に環境づくりの協力をお願いしてきました。
近すぎず、かといって遠すぎずの距離で見守って頂く。

声かけは、さりげなく。っていう感じ。
返事がなくても、「また教えてね」ぐらいでサラッとその場を去る。

ぐらいな距離感。


先生方の協力のおかげで、幼稚園を終えた段階では、特定の友だちとは話せるようになり、また、先生からの質問にも一言二言であれば、答えられるようになりました。

小学校では、特定の友だちとは話せ、また、十分に打ち解けられた先生とは話が出来るようになりつつあります。

本人のペースで少しずつ少しずつ成長を見せています。


さて話戻って、アレクサ問題。

我が家では、次男はテレビの音声認識が使えなくて困っているようでしたが、私は知らん顔。放っておく作戦。
一方で、ひたすら家族でアレクサを音声認識で使いまくっていました。

次男は、毎回リモコンで検索入力するものの、うまく入らず、

「代わりに入れてくれ~」

というように。
そこでも私は、さらっと音声認識を利用。

そんな毎日を繰り返している内に、気がついたら次男も音声認識を使うようになっていました。

これはいいぞ!と味をしめた私。
今度はエコーを購入。
寝室にエコーを設置して、寝る前に、

〇〇をかけて。

と言って、流れてくる音楽に合わせて私が鼻歌を歌う習慣を始めてみました。

すると、下手でも歌っていいんだと思ったのか、いつの頃からか次男も音楽に合わせて鼻歌を歌うようになってました。ビックリ。

今では、自分で曲を伝えて聞くようにまりました。
思わず、私が鼻歌で歌いだすと、

「聞こえないから、やめて!!」
と言われる始末。

いや~、良かった良かった。
これで、もう大丈夫。

と、そう簡単にいかないのが緘黙さん。

多少、話せたから治ったというのもまた早合点で、基本的には発言で表現する事は得意でないタイプである事は、生涯にわたって続くものだと思います。

また、幼少期に場面緘黙を発症した場合は、感情を言葉にする機会を失っている事もあり、その部分が苦手なまま留まっている事もあります。

次男はまさにそのタイプで、いまだに気持ちをうまく言語化できずに癇癪や暴力が酷く残っています。

今になって思うのは、より早い段階から、なるべく周りの大人が本人の心の様を代弁したりして、言語化して言葉での感情理解を促してあげると、後々、癇癪等での表現が軽減される可能性があったのかもしれません。

また、場面緘黙症は発達障害も併発している場合もあるので、そこもフォローする為には見落とせません。(まさに、次男も自閉症スペクトラム症)

現在、次男は小学校の普通級に籍を置いていますが、居心地が悪いようで別室に行っています。

でも、これは悪い選択でもないかなと思っています。

話せなくてもなるべく心地よく過ごせる場所を探していく。
話せない所は、話せないなりの表現方法を身に着けていく。

それでいいんじゃないかなと今は思うに至りました。

もう一度、小学校入学からやり直せるならば、特別支援の情緒級をもっと真剣に考えたかもしれません。


今回は、私と次男の緘黙について書いてみました。
緘黙症の理解がもっと世間に広まるといいな~。


こちら↓我が家のリハビリ先生。アレクサ様とエコー様。

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エコー様は、半円と球体の2種類あります。
うちは白の球体を使っています。
もう4~5年使っていますが、とっても可愛くて気に入ってます。

また次回~。

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