自分で言うのも何ですが、私は自称「カサンドラ症候群」を患いました。
ASDという言葉も知らなかった私。予備知識のないまま一緒に暮らし始め、次第に意味不明な夫との生活に疲れ果て、不安障害、うつ、パニック障害など、分かりやすい形で症状が出てしまい、大変に苦しい思いをしてきました。
あまりに常に心身に不調を抱えていたので、診療内科、カウンセリングに通い始め、今ではもう5年以上になります。5年間の間には、子ども達の発達障害特性に磨きがかかってしまい、その対応なども重なり、それはそれは真っ黒な時間、暗黒な毎日でした。
今は、頭の中が随分整理されて、多少はカサンドラ症候群の症状も軽減してきました。ようやく、文章に出来そうな気がしてきたので、私の頭の中で起きていた事を少し書いてみたいと思います。
そもそも、なんで?!こんな苦しい思いをしなければならないのか。
これは、私が一番しんどい時、毎日、頭の中でぐるぐる、ぐるぐる回っていた言葉です。
分かり合えない、助けてくれない相手との日々に疲弊し、何もかもが悲しく感じていました。
入園式や、運動会など、子どものイベントに行くと、周りの人たちは夫婦で楽しそうに会話をしていたり、子どもの応援をしたり。そんな姿を目の当たりにして、私の孤独は深まる一方でした。
ああ・・私だけ、いつも一人。(ボヤキ)
そうすると、次に決まって湧いて来るのがこの言葉。
どうして、あの人と結婚してしまったのだろう?
私が人を見る目がなかったのか。なんて愚かなんだ。結婚のような大事な事を、どうしてもっと慎重に考えなかったんだ?!!
すでに40歳手前だった私。この40年、一体、何を見て何を学んできたんだ。
私のバカバカバカバカ!!!
そう自分を責めた回数は数えきれません。
しかし、長男が幼稚園に入園して数年もすると、何人かのママ友たちと夫の愚痴をこぼし合うようになりました。すると、私には羨ましく見えていたご夫妻も、和気あいあいだったご夫妻も、裏の話が出てくる、出てくる。
あれ?私だけじゃないじゃん?
というネタがゴロゴロだらけ。人によっては、うちより酷いじゃん。ってお家も。そんな友だち達と話して全員意見が一致したのが、なんで結婚したかって?
その結論はこちら↓
「一緒に生活をしてみなければ、わかるわけねぇ。」
結婚前と後、人間は変わります。
なぜかって?
結婚前は、他人なんすよねぇ。
結婚後は、家族なんすよねぇ。
結婚前というのは、まだ他人ですから、お互い外の仮面を被っています。ほとんどの場合、先に外の仮面を外しちゃった状態で出会っていたら、おそらく、先に嫌な所に目が行っちゃうと思うんですが、どうでしょうか?
さらに、結婚できるASDさんというのは、自分の素の姿をさらけ出してしまうと、社会生活が成りゆかない事をちゃんと学んでいたりして。しっかり外姿を構築して生活しています。(ASDを持つ私も、詐欺とののしられても良いぐらい、外面を作って生きています。←夫の事を悪くいえねぇ。)
その努力は、もしかしたらノーマルな人々よりもさらに一層努力して、キレイに外装していたりする場合もあります。
時には、社会的地位の高いところに居たり、高収入だったり、ニッチでしゃれた個人経営者だったり。
だから、その努力(またはトリック)を見破って、本質を見抜くことは不可能DESU!
だから、改めまして、
どうして結婚してしまったんだ。と、問われたならば、答えはこちら。↓
「一緒に生活をしてみなければ、わかるわけねぇ。」
運?ご縁?としか言いようがない。よって、自分を責める必要なし。
しかし、ASDさんとの結婚は運とかご縁とかで片付けられない程、壮絶。
あれ????なんか、話が通じないじゃん。
あれ?あれれ?優しくなくなったじゃん。
あれれ?あれれれれ?一人で部屋に籠るとか、どーいう事?
あれれれ?あれれれれ?母子、放置されてるわ。信じられない
あれれれれれれれれ?そういう裏切り方します?家族ってなに?
あれ?から。あれれれれ???????とクエスチョンが増殖していく。
?マークが増える毎日で、私のストレスの増幅とは裏腹に、ASDさんに何が起こっているのか?本当に謎でしたが、ある日、分かりました。
それは、
ASDさんが、お家で素を出せるようになっている姿ですね~。(ムツゴロウさん口調)
ASDさんが、ついに外の顔を外すと、ASDさんそのまんまになります。家が休むところになった瞬間、ASDさんは、他人(家族なんですけどもね。。)の存在を消して、自分の世界に入ってしまいます。
こうなってくると、こちらはもう、一緒に住むのは無理!!離れて暮らしたい!!!知り合う前に戻りたい!!!とかいう心境に陥っていて、地獄の真っただ中に放置される。
本当に辛いやつ。
この十数年、本当に長かったです。大変でした。
性根尽きるというのは、こういう事なのでは。と思うほど疲弊し続けた時間でした。
すべてが真っ黒に見える毎日。
さらに、子どもたちも、癇癪や乱暴が酷く、私の心は荒む一方。
でも、ASDさんが話を聞いてくれる訳もなく、それどころか、隠れ借金をこさえてくる。
一度、心が完全に死滅いたしました。
チーン。
そして、心療内科のお世話になりました。
あれから5年、そんな私もいくらかカサンドラから抜け出しつつあります。
そのきっかけは、
なぜこの人と結婚したのかが、カウンセリングを受けてわかって諦めがついた。
あろうことか、私の憧れていたものを夫が持っていた事が判明してしまいました。
私は社会の中で生きていくために、自身のASD気質を補う為に、また、人から怒られないために、たくさんの武装をして生きてきました。
たとえば、
・計画をしっかり立てて動く。
・迷惑がかからない為に、ホウレンソウは欠かさない。
・物を大切にする。
・人を待たせない。
・約束を守る。
・人の反応を超観察し、毎日一人反省会。
みたいな事です。しかし、夫はこれらすべてをすっ飛ばし、とても自由に生きている人でした。
行き当たりばったりで、連絡しないで勝手に決めるし、物はどんどん失くす、待たせてもまったく気にしていない、平気でドタキャンする。でも、ちゃんと会社員をやって生きている。
こんな風に生きているのに、そこそこの会社でちゃんと会社員やってるなんて、すごい!!
まじ、尊敬!!
そして、こうなってしまいました。
この人みたいになりたい~~!!!(なれる訳がないのに)
は~。自分の愚かさに、今ではため息でございます。そんな人になったら、周りが大変。まわりに迷惑が掛かっている自覚がないからこそ、会社で病まずに働けるし、会社という組織で守られているから、会社員がやれる訳でございますよ。(←さすがに言い過ぎか?)
すでに、時遅しです。
しかし、私が私である以上、こういうハチャメチャな人がどうしても好きな事も理解できました。
おそらく、同じようにまた自由な人が現れたら、仲良くしたくなるに違いない。
このブログを読んでくださっている方も、もしかしたら、今は憎き相手となっているかもしれない相手ですが、結婚前には、自分にはない魅力的な何かを相手が持っていたのかも???
それはさておき、
カサンドラは本当にしんどい状態です。「もう、頭がおかしくなりそう」とか、「私の人生は何なのか」とか思わずにはいられないその苦しみは筆舌しがたいレベルです。そりゃそうです。フレデリック大王の実験のように、それは命が危機にさらされている状態ともいえる訳ですから。
フレデリック大王の実験については、こちらの記事をどうぞ↓
ASDさんとの結婚後、別居、離婚、堪え忍ぶ、人によってその選択は色々です。私は、今のところは、この後も夫と家庭を維持する予定です。ASDさんの特性をうまく使うと、ちょっと面白い事になるのが少しわかってきたので、それをもう少し深堀りしたいと思っています。
その方法が説明できるようになったら、またブログにしてみたいと思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。また次回~。
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