ASDという特性を持つ人が夫になると、生活はどうなる?

今日は、ASDを持つ人が夫になった私の日常について書いてみようと思います。

ASDという特性を持っている人が夫になると、どうなる?

結婚してから十数年経ちました。振り返ってみれば、日々戦い。夫と戦い自分と戦い。。その間に同じような悩みを持つ人達との出会いもありました。自身の経験、友人達を見て話しての勝手な自己分析の結果、

「ASDを持っている人が夫になるとどうなるか。」

かなりの確率で、
『カサンドラ症候群を患います。
そして、心療内科のお世話になる人も多いです(私も含めて)。
さらに、お子さんがいる場合、お子さんに何等かの発達障害がある、またはそれにかなり近い特性を持っていることは珍しくなく、その方面でも悩みが多いのがよくあるパターンです。

つまり、メンタルが追い込まれやすい環境におかれる生活になります。

最悪じゃないか!と思われるかもしれません。確かに最悪です。でもサバイブする方法もあるかもしれません。それは後程、書いてみたいと思います。

どうしてカサンドラになっちゃうの?

これは一重にコミュニケーションが取れないからだと思います。相手は話す事もできるし、笑う事もできる。なのに、コミュニケーションが取れないってどういう事?と思うかもしれませんが、より詳しくいうと、円滑な会話が難しい。言葉のキャッチボールが難しい。という感じです。

会話が出来ないとカサンドラになっちゃうのか?

いえいえ、そうではありません。「フレデリック大王の実験」の話をご存じでしょうか?赤ちゃんの衣食住のお世話はするけれども、人間的なふれあいを一切しなかったら、赤ちゃんは死んでしまったという実験です。

これは、何を意味するかというと、心の交流、つまり、「自分が相手に認知されている・受容されている」という自覚は人が生きていく上では必要不可欠な要素だという事なのだと思います。
人は一人では生きて行けないとは、まさにこの事。

ところがASDさん達というのは、ふれあいのある関係を作るのが特ではないようです。話を聞いていても返事をしなかったり、話が一方通行であったり、投げた会話とは違う答えが返ってきたり、場合によっては、そもそも話を聞いていないという事が往々に起きたりします。

ASDを持つ伴侶は、フレデリック大王の実験の赤ちゃんと似た状況におかれた妻、または夫。という事になります。話しかけても、受け止めてもらえないと思ってしまう経験を何度もします。真剣に話していたり、深刻な相談をしていたりしてもです。

なんかイライラするな、寂しいなと思いながら毎日を何とかやり過ごしていると、ある日こういった事態に遭遇します。

妻(または夫)は高熱を出して動けなくなってしまい寝込んでしまう。誰にでもある体調不良の日です。

こんな時に期待するのは、「大丈夫?」と言ってくれたり、飲み物やおかゆを準備してくれたり、病院に連れて行ってくれたりする配偶者だったりするのですが、ASDさん達にはそういった事は難しかったりします。

普通に仕事に出かけてしまったきり、残業して遅くまで帰ってこない。休日だとしても、テレビを見てくつろいでいたりする。小さい子どもがいてもお構いなしに。

熱を出して寝込んでいる側は、酷く酷く悲しくなります。
「どうして助けてくれないんだろう?ピンチの時も助けてくれないなんて」

そんな経験を何度も繰り返す内に、妻(または夫)は、だんだんと心がボロボロになっていくのです。そして、日々の生活もしんどくなって、ようやく不安障害やうつなどといったカサンドラ症候群を発症している事に気が付くという訳です。

もちろん、ASDさんは相手がカサンドラ症候群に苦しんでいるなどという事には気が付きません。


フレデリック大王の実験の概要は、こちらのリンク先がとても分かりやすいです。https://jp.glico.com/boshi/futaba/no71/con05_05.htm

どうして、ASDさんはそうなってしまうのか?

一つには、おそらく他人に対しての興味があまりない脳の構造ではないかと思います。彼らは意図的にそれをしている訳ではなく、自然にしているとそうなってしまう。脳がそのように出来ている。としか言いようがない。というのが私が夫を観察していて出た結論です。

そして、もう一つは、他人に共感する機能があまり働かない。そして自分が他人から共感される事にもさほど興味はなさそうです。共感を求めて会話するという感じではなく、必要な情報を交換する。とか、おもしろい情報を交換するとか、そういう事が共感よりも心地よく楽しいようです。

私自身は、人と話していて共感しあえている状態が最上の喜びであり安心だと思っているのですが、どうやら夫は違うようです。おそらくですが、夫にとって大切な事は、敵か味方か。この二つのような気がします。細かい心情の変化などはアンテナが殆どキャッチせず、敵か味方かを色々な視点から観察している模様です。味方だと思えば安心するし、敵だと思えば不安になる。そういう構造のような気がします。

心の細かい様が追えない感じだと、ドラマや映画なんて見ないよね?

これが、そうでもなく、NHKの朝ドラも大好き。夜の9時台、10時台のドラマも録画して見ていたりします。私は人の心の変化を追って見るのが好きなタイプなので、それを感じる事なくドラマの何が楽しいのか?と思っていたのですが、どうやら、ストーリの展開に集中して楽しんでいるみたいです。

さて、ざっくりですが、うちの場合のASDさんについて書いてみました。身の回りに似たタイプの人はいますか? ASDさんと言っても色々なタイプがあります。また特性には濃淡があり、人の数だけタイプがある。と言っても過言ではありません。実際、私にもASDの特性もあり、それが周りの人にどのような影響を及ぼしているのか自分では推測できないのが正直なところです。

それにしても、カサンドラになってしまうほど病んでしまうのに、どうしてASDさんと結婚する道を選んでしまったのでしょう。どうして、結婚前に気が付かなったのでしょう。。と誰もが思うと思います。次回は、その事について。そして、カサンドラから脱却できるかもしれない方法についても書いてみようと思います。

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